計画研究
本研究ではマウス系でウイルスRNAが誘起する自然免疫シグナルと発がん・抗がん環境を分子レベルで明らかにし、発がんスパイラルの制御へ資することを目的とした。マウスモデル系に関して下記の問題が生じた。1. HCV, HBV感染のマウス細胞培養モデルの完成度が低く、十分な解析ができなかった。2. ウイルス種ごとのRNAがTLR3経路かRIG-I経路どちらを標的とするか検討するvivoの系をマウスで作製する必要があった。3. マウスBMDC のデータはあるが、CD8 DC (樹状細胞)で同じ応答が再現されるか不明であった。以上の解析はマウスの感染系を必要とし、これを作製するために繰越しを行った。ポリオウイルス (PV)、麻疹ウイルス(MV)はマウスの感染系が解析可能になったため、IFN誘導経路を検討した。個体レベルでPVはTLR3経路(特に樹状細胞)が(Abe et al., 2013 J Virol)、MVはTLR7/MyD88 経路が(Takaki et al., 2014 J Immunol)、IFN誘導と感染抑制の鍵であった。この件はKOマウスを使ったin vivo感染実験で最終的に確定した。HCVはマウスモデル系とヒト肝細胞の培養系を使って感染に際してIFN-λが肝実質細胞とミエロイド細胞から産生されることを証明した(Okamoto et al., 2014 J Immunol)。HBVはモデル系が難しかったため、hydrodynamics の系を使って個体解析とした(Leong et al., 2014 J Innate Immun)。これらは発がんモデルとして解析を続行する。感染と炎症応答からがん化の微小環境が成立するなら修復過程で間質細胞の幹細胞化が起きる可能性がある。これらの系を用いてウイルス感染―発がんにreprogramが起きるかを検討する。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件) 備考 (1件)
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