計画研究
感染がんの発症メカニズムを理解しそれらを制御するには、その発がんスパイラル場(がん微小環境)を自在に操作する技術が必要である。申請者が独自に展開しているナノゲル工学やシャペロン機能工学を駆使することにより種々のDDSを構築し、新規ワクチンの開発とサイトカイン等の時間的、空間的徐放制御を行い、ピロリ菌感染、肝炎ウイルス感染あるいは炎症などに引き起こされるがん微小環境の機能解明とそのがん微小環境を改変することによる発がんスパイラルの制御法を開発する。1)多糖ナノゲルによる感染がんタンパク質免疫療法ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)では、HBZ遺伝子が全てのATL症例で発現し、ATL細胞の増殖に関与している。HBZおよびTaxウイルスタンパク質を多糖ナノゲルに封入したナノゲルワクチンを調製し、マウス皮下投与による免疫誘導実験を行った。Taxタンパク質ナノゲル系で高いキラーT細胞の誘導が得られることが明らかになった。 (京大松岡)。2)ピロリ菌病原因子CagAタンパク質のエクソソームによるデリバリー細胞から分泌されるナノベシクルであるエクソソームは新規な細胞間情報伝達因子として注目されている。我々は、ピロリ菌感染ヒト血清中のエクソソームにCagAタンパク質が存在することを明らかにした。さらに、CagA発現胃上皮細胞からCagA含有エクソソームを単離し、胃上皮細胞と相互作用させたところ、hummingbird表現型と呼ばれる細胞の伸長が誘導され、エクソソームがキャリアとしてCagAを他の細胞に輸送し、その細胞機能を改変しえることを初めて見出した。H. pylori感染により胃上皮細胞内に注入されたCagAが、エクソソームにより分泌され様々な疾患を引き起こす要因となる可能性が示唆された。(東大畠山、神戸大東)
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件)
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