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2011 年度 実績報告書

大脳皮質視覚野の経験依存的可塑性を誘発する神経活動の解明

計画研究

研究領域メゾスコピック神経回路から探る脳の情報処理基盤
研究課題/領域番号 22115010
研究機関鳥取大学

研究代表者

畠 義郎  鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40212146)

キーワード神経回路 / 可塑性 / 視覚野
研究概要

生後初期の個体の経験がいかなる神経活動変化となって回路変化を誘導するかはいまだ明らかでない。本課題は、視覚遮断による大脳皮質視覚野の眼優位可塑性という、発達期可塑性の強力なモデルを採用し、視床-皮質投射という特定の神経回路の経験依存的退縮機構に着目する。このモデル系において、1)視覚入力の有無は、視床と視覚野においてどのような神経活動パターンの変化としてコードされるかを解読する、そして、2)解読結果をもとに神経活動を操作することで入力軸索の退縮を制御できるか検証する。このことで、経験→神経活動の変化→回路変化の経路を明らかにする。
眼優位可塑性は麻酔下では発現しないことから、覚醒状態で視知覚に結びつく神経活動こそが神経回路の再編をも誘発すると想定される。従って、覚醒状態で行動中の動物で、視覚入力がどのような神経活動を誘発し、可塑性発現につながるのかを明らかにする必要がある。昨年度は、視床の視覚中継核である外側膝状体に単極金属電極を留置し、さらに容易に脱着できる視覚遮断用マスクを考案し、行動中の動物で視床ニューロン活動を記録できる実験系を確立した。今年度は、シリコン多極電極を用いたマルチニューロン活動の記録系を確立するため、ワイアレス神経活動記録装置を導入し(初年度導入予定であったが、物品納入の遅れのため今年度に繰り越した)、まず麻酔下の動物で大脳皮質より複数のニューロン活動を記録し、記録・波形解析システムを整備した。
上記と並行して、入力軸索の退縮が発達期のどの時点で生じるかを確認したところ、これまで可塑性が強く発現すると考えられてきた「臨界期」のピークよりも遅い時期に見られることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度導入予定であったが、物品納入の遅れのため今年度に繰り越したワイアレス神経活動記録装置も導入し、シリコン多極電極を用いたマルチニューロン活動の記録を開始することができた。

今後の研究の推進方策

これまでに、ワイアレス神経活動記録装置を導入し、シリコン多極電極を用いたマルチニューロン活動の記録系を整備した。今後は、この実験系をさらに調整し、まずラットを用いて自由行動中のマルチニューロン活動を記録する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] ネコ視覚野における臨界期後期での片眼遮蔽による視床-皮質軸索退縮2012

    • 著者名/発表者名
      樋川正仁
    • 学会等名
      第89回日本生理学会大会
    • 発表場所
      長野県松本文化会館(松本)
    • 年月日
      2012-03-31
  • [学会発表] Developmental regulation of CB1 and DGL-α in the primary visual cortex2011

    • 著者名/発表者名
      米田泰輔
    • 学会等名
      41th Annual Meeting of Society for Neuroscience
    • 発表場所
      Walter E.Washington Convention Center (Washington, DC, U.S.A.)
    • 年月日
      2011-11-16
  • [学会発表] BDNF量はPKAあるいは神経活動の阻害によりp-CREBではなくMeCP2の変化を伴って変化する2011

    • 著者名/発表者名
      山本未希
    • 学会等名
      第54回日本神経化学会大会
    • 発表場所
      山代温泉瑠璃光(石川県加賀市)
    • 年月日
      2011-09-27
  • [学会発表] 薬理学的に抑制したマウス大脳皮質視覚野における膝状体-皮質軸索の経験依存的可塑性2011

    • 著者名/発表者名
      大村菜美
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] 初期視覚操作による網膜地図の神経回路再構成2011

    • 著者名/発表者名
      亀山克朗
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] The functional and anatomical changes of retinotopy induced by early postnatal monocular enucleation in thevisual system2011

    • 著者名/発表者名
      亀山克朗
    • 学会等名
      8th IBRO World Congress of Neuroscience
    • 発表場所
      The Fortezza da Basso (Florence, Italy)
    • 年月日
      2011-07-15

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公開日: 2013-06-26  

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