計画研究
○神経超解像法の完成と実データへの適用 これまでに開発してきた神経超解像法について、高精細なサブフレームレジストレーションと組み合わせることで手法として完成させた。計算アルゴリズムの改善により三次元化を行い、覚醒動物からの二光子顕微鏡画像に適用した。領域内共同研究者(松崎)のデータを用いて、運動中動物からの画像に適用可能か評価を行った。手法として完成したので、今後は、領域内でのデータにオンデマンドで適用しつつ、業績化を進める。○神経システム同定法の実データへの適用 これまでに開発してきた神経システム同定法を、領域内共同研究者(池谷)からの提供によるカルシウムイメージングからの回路同定に適用した。比較的短い計測時間からの同定であるので、偽陽性制御が重要であり、そのための統計的手法の開発を進めた。また、海馬領域におけるグリア(アストロサイト)の機能に注目して、その神経ネットワークへの影響について研究を進めた。グリアから神経細胞への興奮的影響は、空間的に局在することなどが分かった。これらの結果は、今後業績化を進めつつ、領域内の他の系(例えば能瀬らによるショウジョウバエ幼虫の運動生成回路)への適用を図る。○神経軸索の計算機構のモデル化 発達期の神経軸索における伸展方向を決めるのは細胞内のCa2+シグナルの上流および下流のクロストークである。この系の分子ネットワークのモデル化を研究協力者であるDr. Kyonsoo Hongと本田直樹博士と共同で進めた。
2: おおむね順調に進展している
研究成果を良質の専門雑誌に掲載されるためにはそれなりに時間がかかっているものの、研究自体は順調に進展していることから、「②おおむね順調に進展している」と判定した。
手法の開発はほぼ完了しているので、最終年度となるH26年度は、これまでの研究成果の論文化を進めつつ、領域内の共同研究を通じた実データに適用することで、メゾ回路の作動原理に関する計算論的解明を進めていく。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 5件) 備考 (1件)
NeuroImage
巻: 90 ページ: 128-139
10.1016/j.neuroimage.2013.12.035.
Progress in Molecular Biology and Translational Science
巻: 41 ページ: 123-127
10.1016/B978-0-12-397897-4.00003-6.
http://ishiilab.jp/member/ishii/publications/