計画研究
1)抗BLT1抗体を用いた新規樹状サブセットの同定:BLT1-high DCは、BLT1-low DCと比較して、IL-12、IL-36αが高く、IL-12産生の亢進がTh1分化を促進していることが分かった。また、DCをCpGで刺激した際の細胞内シグナルを検討したところ、BLT1-high DCではp38 MAPKinase経路が亢進しており、BLT1-low DCではカノニカルなNF-kB経路が亢進していることが分かった。2)BLT2による上皮細胞バリア機能維持の分子メカニズム:ケラチノサイトに発現し、皮膚創傷治癒を促進する12-HHT/BLT2シグナルが、TNFα、メタロプロテイナーゼ9の発現を介していることを証明した。また、腸管上皮に発現するBLT2は、上皮細胞の接着部位に特異的に発現していることをin vitroとin vivoの両方で確認した。BLT2が複数の細胞間接着因子の発現を上昇させることで、上皮のバリア機能を維持していることを見いだした。3)12-HHT産生経路の同定:昨年までの実験結果をまとめて論文として発表した。4)BLT2欠損マウスの解析:細菌毒素ニューモライシン気道内投与による急性肺損傷モデルにおいて、BLT2欠損マウスの致死率が高いことを見いだし、BLT2が肺胞上皮損傷においても保護的な役割を有していることを見いだした。
2: おおむね順調に進展している
BLT1, BLT2を用いた解析は順調に進行している。本年度はさらに、急性肺損傷モデルにおけるBLT2の保護的作用を見いだした。皮膚創傷治癒におけるBLT2の促進的役割は、インパクトの高いジャーナルへの掲載が決定した。孤児受容体を用いた新規脂質メディエーターの発見に関しては、連日、実験を行っているものの、確実な反応が取れていない状態である。
抗BLT1抗体を用いた新規樹状サブセットの同定、腸管上皮におけるBLT2の保護的作用については、本年度中に論文化を予定している。急性肺損傷モデルにおけるBLT2の保護的作用については、詳細な分子メカニズムをあきらかにする必要がある。新規脂質メディエーターの発見に関しては、材料の細胞・臓器を変えて行っていく予定である
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