研究領域 | 生命応答を制御する脂質マシナリー |
研究課題/領域番号 |
22116003
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
杉本 幸彦 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (80243038)
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研究分担者 |
土屋 創健 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (80423002)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | プロスタノイド / エイコサノイド / GPCR / シグナル伝達 / 発生 / 雌性生殖生理 / 発現プロファイル / 脂肪細胞 |
研究実績の概要 |
前年度までに、zebrafishにおける機能的なプロスタグランジン(PG)受容体計12種類を同定した。今年度は、さらに各受容体の whole mount in situ hybridizationにより、発生期におけるCOXおよび各受容体の発現部位を同定した。またゼブラフィッシュ飼育系を導入し、発生プロセスに対する非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs; PG合成阻害剤)の効果、さらにPGの同時添加の効果を検討した結果、PGE2が血管形成に関与する可能性を見出した。 前年度までに、in vitro 系において間葉系幹細胞が脂肪細胞への分化刺激に曝されると、COX2-PGE2-EP4受容体のネガティブフィードバック機構により、脂肪細胞への分化が抑制されることを見出した。そこで今年度は、生体における脂肪細胞の分化・機能に注目し、EP4受容体の役割を検討した結果、PGE2がEP4受容体を介して脂肪細胞におけるインスリン応答に拮抗し、脂肪形成を抑制する可能性を見出した。 Ca2+動員型PG受容体 (FP/EP1/EP3)のトリプル欠損マウスを作成し、その卵巣切除による分娩を調べたところ、本マウスはFP欠損マウスに比して分娩が顕著に遅延し、胎児は全て死亡した。加えて、今年度は、本メスマウスの詳細な解析の結果、Ca2+動員型PG受容体は着床時の胎児スペーシングや卵胞発達に必須の役割を果たす可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
TALEN法の普及により、zebrafishでも容易にノックアウト個体の作成が可能となったため、多くの魚系統を維持する必要性が生じ、当初よりも大規模の飼育系の導入に時間を要したが、その甲斐あって魚の発生解析を大規模に進めることが可能となり、興味深い知見を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
班友・川原(理研)の協力・支援の下、zebrafishにおけるPG受容体のノックダウンならびにノックアウトの影響解析を進める。24年度に大規模飼育系を導入したので、血管や血球細胞などの可視化個体を駆使し、網羅的に機能解析を推進する。また脂肪細胞、卵巣、子宮におけるPG機能解析を推進するため、質量分析センター(東大)を活用し、脂質メディエーター間の相互作用を統合的に理解する。
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