細胞内シグナル伝達が異常を来すと様々な疾患やその悪性化の原因となる。これまでの研究はシグナル伝達のパスウェイにほぼ100%の興味が集中していたが、実際の細胞は空間的な広がりを持つ3次元の実体である。そこで空間によるシグナル伝達制御を調べた。 その結果、転写因子NF-κBは1)核/細胞質体積比、2)拡散定数、3)核膜輸送などの空間パラメータで振動が制御され、2)とmRNAに関する3)は振動持続性を、IκBたんぱく質に関する3)は周波数をそれぞれ独立に制御することを発見した。2)ストレス顆粒形成のダイナミクスは顆粒同士の融合が重要で、顆粒の大きさ分布がγ分布であることを予言し、実験的に確かめた。
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