計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、血球系等の分化誘導系を利用して各分化過程における増殖関連遺伝子のプロモーター領域のクロマチン修飾変化についてヒストンリン酸化を中心に解析し、分化誘導シグナルによるエピジェネッティック制御と"細胞運命"決定機構の本体を明らかにするものである。当該年度は、終末分化系のモデルとして早期細胞老化誘導系を用いて以下の点について明らかにした。1.DNA損傷に反応したE2F標的遺伝子の発現抑制は、E2Fプロモータ上でのChk1-GCN5複合体とPP1ガンマー-HDAC3-pRb複合体の動的な置き換わりにより制御されていることが明らかとなった。2.Chk1欠失により誘導された早期老化細胞を用いて解析したところ、老化細胞ではゲノム全体でDNAメチル化が減少していること、興味深いことにガン抑制遺伝子プロモーター領域においては特異的にメチル化か亢進していることが明らかとなった。3.コアヒストン分子であるヒストンH2A分子のバリアントである、H2AZ, macroH2A1, macroH2A2, H2ABbdを特異的に認識するモノクロナール抗体の作製を開始した。4.ヒストンH3リジン9のトリメチルを特異的に認識する分子MPP8の細胞周期特異的発現、DNA損傷における感受性決定、および生化学性質について解析を進めている。5.MPP8のノックアウトマウスの作製を、理化学研究所古関博士との共同研究で開始した。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (2件)
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