造血細胞の分化メカニズムを解明するため、その異常が生じる疾患である骨髄異形成症候群(MDS)の三原因遺伝子を、疾患特異的な染色体異常である7番染色体長腕(7q)から単離した。エンドソーム蛋白質をコードするSamd9/Samd9Lは、片アレル欠損でも両アレル欠損でもほとんど同じ経過で、老齢マウスにMDSを発症した。一方、Mikiは分裂期中心体に存在し、その発現低下で分裂前中期の延長と、MDSに非常に高頻度にみられる形態異常に酷似した核形態異常を生じた。両遺伝子の片アレル欠失が、MDS発症を促進していると考えられた。
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