• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

肝臓における造血細胞の運命決定に関わる環境因子の解析

計画研究

研究領域多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明
研究課題/領域番号 22118006
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関東京大学

研究代表者

宮島 篤  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50135232)

キーワード肝臓 / 幹細胞 / ニッシェ / サイトカイン / 細胞分化
研究概要

胎児肝臓の造血環境
マウス胎児肝臓細胞を細胞種毎に分類し造血因子の発現を調べた結果、SCF, TPO, EPOはDLK1陽性の肝芽細胞で強い発現が認められた。次に、肝臓における造血ニッシェに関する位置情報を得るために、免疫染色を行なった。その結果、EPOは肝辺縁部で強いシグナルが認められ、共染色によりp75NTR陽性細胞がEPOを発現していることが示された。SCFの受容体であるc-Kitを発現する造血細胞は肝臓全体に存在していた。一方、赤芽球の分化状態およびその分布をCD71とTER119の免疫染色およびFACSにより解析した結果、肝中心部ではCD71+TER119+の未分化な赤芽球が多く、肝辺縁部ではTER119+のより分化の進んだ赤芽球が多く認められた。このことから、肝辺縁部のEPOの発現が赤芽球造血に寄与する可能性が示唆された。
成体肝臓における造血環境因子
肝常在マクロファージであるKupffer細胞はF4/80強陽性細胞としてFACS上で確認され、塩化ガドリニウムの投与により減少し、3日後には回復した。塩化ガドリニウム投与後、GFPマウスの骨髄細胞を移植して経時的にFACS解析を行なった結果、GFP陽性細胞は回復したKupffer細胞にはほとんど寄与しないことが分かった。以上の結果から、Kupffer細胞の回復には骨髄中の未分化な前駆細胞が直接的に寄与するというよりは、残存Kupffer細胞が増殖またはケモカイン等により骨髄から動員された前駆細胞が寄与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Liver stem/progenitor cells : their characteristics and regulatory mechanisms2011

    • 著者名/発表者名
      Tanaka M, Itoh T, Tanimizu N, Miyajima A.
    • 雑誌名

      J Biochem.

      巻: 149 ページ: 231-239

    • 査読あり
  • [学会発表] Identification of fetal liver cells contributing to hematopoiesis during mouse embryogenesis2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka M., Motomura M., Kamiya Y., Miyajima A.
    • 学会等名
      BMB2010/第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] Identification and characterization of a new IkappaB protein2010

    • 著者名/発表者名
      Yamauchi S., Ito H., Omi A., Miyajima A.
    • 学会等名
      BMB2010/第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] Identification of fetal liver cells contributing to hematopoiesis during mouse embryogenesis2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka M., Motomura M., Kamiya Y., Miyajima A.
    • 学会等名
      FASEB Summer Research Conferences
    • 発表場所
      Snowmass Village Conference Center, Co, USA
    • 年月日
      20100815-20100820

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi