計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
1.イネアルミニウム感受性突然変異体c68の原因遺伝子を特定し、その機能を解析した。この遺伝子はreceptor-like kinaseをコードし、根の外層の細胞(表皮、外皮と厚壁細胞)の形成に必要であることを明らかにした。2.イネアルミニウムトランスポーターNrat1の基質特異性をイネ変異体と酵母を用いて調べたところ、アルミニウム以外に、3価のYbとLaにも輸送活性を示すことが明らかとなった。しかし、2価の金属に対する輸送活性は無かった。3.イネアルミニウム耐性に関わる遺伝子OsFRDL4について更なる機能解析を行った。OsFRDL4は細胞膜に局在し、根圏へのクエン酸の分泌に機能する。OsFRDL4の発現量とアルミニウム耐性に正の相関が認められた。4.YSLファミリーに属するイネのOsYSL6について機能解析を行った。その結果、OsYSL6はイネのマンガン過剰耐性に関与していることが明らかとなった。OsYSL6は根と地上部の両方で発現し、その発現はマンガン濃度の影響を受けず恒常的であった。しかし、上位葉より下位葉の発現が高かった。OsYSL6の組織局在性を調べるために、そのプロモーターにGFPを連結させたコンストラクトをイネに形質転換して観察したところ、根と葉身の全細胞に発現していた。またOsYSL6はニコチンアナミン-Mn錯体を輸送していた。5.ケイ酸トランスポーターLsi1の基質選択性におけるar/R selectivity filterの役割を解析した。その結果、H2位のアミノ酸の置換はケイ酸の輸送活性に影響なかったが、H5位のアミノ酸の置換はケイ酸輸送活性を無くした。6.酸性ストレスに関与するシロイヌナズナ変異株として、カルシウムや銅などの栄養条件に応じた反応に異常を示す変異株の検索を行い、候補株を数系統ずつ得た。それらについて、遺伝的な解析を進めている。また、ホウ素輸送の既知のデータと、輸送体の極性や輸送特性に基づいた定量的記述を試みており、単一細胞での輸送特性を明らかにしつつある。
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