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2010 年度 実績報告書

乾燥ストレスに対する植物の生存戦略の分子機構

計画研究

研究領域大地環境変動に対する植物の生存・成長突破力の分子的統合解析
研究課題/領域番号 22119004
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関東京大学

研究代表者

篠崎 和子  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30221295)

研究分担者 溝井 順哉  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特任助教 (20469753)
城所 聡  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特任研究員 (70588368)
キーワード環境応答 / 乾燥ストレス / 高温ストレス / 発現調節 / 転写因子
研究概要

DREB2Aタンパク質は、ストレスのない条件下では不安定であり、選択的分解を受けていることが示唆されている。乾燥および高温ストレス条件下におけるDREB2Aのタンパク質レベルの応答を調べるために、DREB2A欠損変異体を形質転換し、GFP-DREB2A融合遺伝子を構成的に発現する形質転換体を作出した。この形質転換体に対して乾燥、高温それぞれのストレス処理を行ったところ、GFP-DREB2Aタンパク質の蓄積量が増加した。したがって、DREB2Aタンパク質の安定性がストレス条件下で向上することが確かめられた。
DREB2A標的遺伝子の乾燥または高温ストレス特異的な誘導機構を調べるために、乾燥ストレス、高温ストレスによって誘導される遺伝子をそれぞれ複数選び出し、プロモーター領域を単離した。これらをレポーター遺伝子とつないでシロイヌナズナに導入し、得られた形質転換体をストレス処理したところ、ストレス条件特異的なレポーター遺伝子の誘導パターンが観察された。したがって、DREB2A標的遺伝子のストレス特異性はプロモーター領域上の配列によって制御されていることが示された。
DREB2A遺伝子は高温、乾燥いずれのストレスにも応答して発現する。DREB2Aプロモーターを解析した結果、高温誘導性に必要な領域、乾燥誘導性に必要な領域が見出され、それぞれHSE配列、ABRE様配列を含んでいることが明らかになった。そこで、これらの塩基配列に変異を加えたプロモーター断片をレポーター遺伝子と結合しシロイヌナズナに導入した。変異型プロモーター断片に結合したレポーター遺伝子は、乾燥あるいは高温のストレスを加えても発現が誘導されなかったことから、DREB2Aのストレス誘導性は、これらのシス因子によって制御されていることが示された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (11件)

  • [学会発表] イネのDREB2型転写因子OsDREB2Bの機能解析2011

    • 著者名/発表者名
      松倉智子, ら
    • 学会等名
      第52回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
    • 年月日
      20110320-20110322
  • [学会発表] シロイヌナズナにおける相同な環境ストレス応答性転写因子DREB2AとDREB2Bの比較解析2011

    • 著者名/発表者名
      溝井順哉, ら
    • 学会等名
      第52回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
    • 年月日
      20110320-20110322
  • [学会発表] AREB/ABF転写因子群によるDREB2Aの乾燥応答性遺伝子発現機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      金俊植, ら
    • 学会等名
      第52回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
    • 年月日
      20110320-20110322
  • [学会発表] シロイヌナズナの転写因子DREB2Aの環境ストレスに応答した安定化と活性化に関する解析2011

    • 著者名/発表者名
      森本恭子, ら
    • 学会等名
      第52回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
    • 年月日
      20110320-20110322
  • [学会発表] ダイズの環境ストレス応答に関するDREB2A相同遺伝子の機能解析2011

    • 著者名/発表者名
      大堀鉄平, ら
    • 学会等名
      第52回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
    • 年月日
      20110320-20110322
  • [学会発表] シロイヌナズナの乾燥・高温ストレス誘導性遺伝子発現を制御する転写因子DREB2Aと相互作用するタンパク質の解析2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤輝, ら
    • 学会等名
      第52回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      東北大学(仙台)
    • 年月日
      20110320-20110322
  • [学会発表] Improving abiotic stress tolerance in crops.2010

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi-Shinozaki, K.
    • 学会等名
      Workshop Japan-Egypt "Pharmacognosy and Traditional Medicine"
    • 発表場所
      日本科学未来館(東京)
    • 年月日
      20100720-20100723
  • [学会発表] Regulatory networks of gene expression in abiotic stress response in Arabidopsis2010

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi-Shinozaki, K., et al
    • 学会等名
      The 21st International Conference on Arabidopsis Research (ICAR 2010)
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      20100606-20100610
  • [学会発表] SPINDLY, a negative regulator of GA signaling, is involved in plant abiotic stress response2010

    • 著者名/発表者名
      Qin, F., et al
    • 学会等名
      The 21st International Conference on Arabidopsis Research (ICAR 2010)
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      20100606-20100610
  • [学会発表] Analysis of a stress-responsive stabilization mechanism of Arabidopsis DREB2A2010

    • 著者名/発表者名
      Mizoi, J., et al
    • 学会等名
      The 21st International Conference on Arabidopsis Research (ICAR, 2010)
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      20100606-20100610
  • [学会発表] Comprehensive analysis of rice DREB2-type genes that encode transcription factors involved in the expression of abiotic stress-responsive genes2010

    • 著者名/発表者名
      Matsukura, S., et al
    • 学会等名
      The 21st International Conference on Arabidopsis Research (ICAR 2010)
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      20100606-20100610

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公開日: 2012-07-19  

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