本研究では浮きイネの深水依存的な節間伸長の分子メカニズムの解明を進めた。遺伝学的な解析を行い、2つの遺伝子(SK3及びSK4)を同定することに成功した。SK3は機能未知の遺伝子であり、深水依存的に節の細胞分裂を行う組織で発現することが明らかになった。SK4はジベレリン(GA)の合成酵素遺伝子であり、浮きイネのSK4は一般的なイネに比べ高いGA合成活性を保持すること、また深水依存的にSK4の発現が誘導されることが判明した。浮きイネでは、深水に伴い節間伸長部位でSK3が細胞分裂を活性化し、SK4がGAを生産し細胞伸長を行うことで節間伸長を行うことが推測された。
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