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2010 年度 実績報告書

植物の分枝を制御するメカニズムの解析

計画研究

研究領域大地環境変動に対する植物の生存・成長突破力の分子的統合解析
研究課題/領域番号 22119008
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関東京大学

研究代表者

経塚 淳子  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90273838)

キーワード分枝 / 腋芽 / 休眠 / 遺伝子発現 / マイクロアレイ / イネ / 分げつ
研究概要

1)腋芽の休眠開始/解除を解析するための実験系を開発した。
水耕栽培したイネの腋芽を詳細に観察した結果、成長段階がP6.5の葉の腋芽では休眠が開始しておらず、成長段階がP7.0になると腋芽は休眠していることが明らかになった。休眠中の腋芽では細胞分裂がほぼ停止していることを確認した。
2)腋芽休眠に伴う遺伝子発現変化を明らかにした。
腋芽休眠に伴い、発現が変化する遺伝子群を明らかにするために、P6.5とP7.0段階の葉の腋芽をレーザーマイクロダイセクション法により採取し、マイクロアレイ法により遺伝子発現を解析した。その結果、腋芽休眠に関わると考えられる遺伝子群を単離することに成功した。とくに、休眠腋芽でABAやストレス(乾燥、低温、塩)により誘導される遺伝子群の発現が増加し、リボソームタンパク質遺伝子の発現が減少することが顕著であった。腋芽休眠へのABAの関与は新規で重要な知見である。
3)ストリゴラクトンが腋芽の休眠に必要であることを示した。
腋芽の伸長を抑える植物ホルモンであるストリゴラクトン欠損変異体dwarf10(d10)では、腋芽の休眠が開始しないことが明らかになった。d10にストリゴラクトンを与えると、濃度依存的に休眠が開始した。このことから、ストリゴラクトンの作用は腋芽の休眠を開始することだと考えられた。
【まとめと展望】
これまでの研究により、腋芽の休眠にはABAが関わることが強く示唆された。ABAが種子の休眠を促進することは広く知られているが、腋芽休眠への関与はこれまで知られていなかった。本研究で、腋芽と種子の休眠において共通する機構が働くことを証明することにより、植物が積極的に活動を停止するという現象の本質的な理解につながると期待できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Low-affinity cation transporter (OsLCT1) regulates cadmium transport into rice grains2011

    • 著者名/発表者名
      Uraguchi S, Kamiya T, Sakamoto T, Kasai K, Sato Y, Nagamura Y, Yoshida A, Kyozuka J, Ishikawa S, Fujiwara T
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA

      巻: 108 ページ: 20959-20964

    • 査読あり
  • [雑誌論文] LAX PANICLE2 of Rice Encodes a Novel Nuclear Protein and Regulates the Formation of Axillary Meristems2011

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki T, Yu Z, Hattori S, Omae M, Shimizu-Sato S, Oikawa T, Qian Q, Nishimura M, Kitano H, Xie H, Fang X, Yoshida H, Kyozuka J, Chen F, Sato Y
    • 雑誌名

      Plant Cell

      巻: 23 ページ: 3276-3287

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Strigolactone Positively Controls Crown Root Elongation in Rice2011

    • 著者名/発表者名
      Arite T, Kameoka H, Kyozuka J
    • 雑誌名

      J.Plant Growth Regulation

      巻: (印刷中)

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26   更新日: 2013-10-17  

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