計画研究
植物は成長段階や環境条件に応じてその形態や大きさを変化させる。分枝パターンの調節は、植物の環境と調和した成育にとって重要である。本研究では、腋芽の休眠の制御と穂の分枝の制御に関して解析を続けてきた。まず、腋芽休眠の詳細な観察から、腋芽休眠時においてもメリステムからは葉の分化が続くが、形成された若い葉での細胞分裂が抑制されるために腋芽が伸びないことを見出した。さらに、休眠状態を解除できる実験系を確立し、休眠解除処理から3時間後には若い葉での細胞分裂が回復することが分かった。これらの実験系でイネを育成し、腋芽の休眠開始、休眠解除、腋芽のホルモン応答などにおける遺伝子発現変動の網羅的解析を進めた。これまでに、マイクロアレイ解析は終了した。その結果、腋芽が休眠する際には、植物に特異的な細胞分裂抑制遺伝子(EL2)、アブシジン酸(ABA)やジャスモン酸(JA)に反応する遺伝子、アスパラギン合成に関わる遺伝子の発現変化が特徴的であった。穂形成において、メリステムの相転換のタイミングが穂のサイズ(粒数)を決定する。メリステムは無限成長相では枝分かれを続け、有限成長メリステムである小穂メリステムに転換するとそこで穂の成長が終了する。TAWAWA1(TAW1)は無限成長相を維持する遺伝子である。まず、TAW1の分子機能を明らかにするために、TAW1のDNAへの結合確認し、結合配列を特定した。また、TAW1がBLADE-ON-PETIOLE (BOP)タンパク質と相互作用し、機能することを明らかにした。さらに、TAW1は環境情報と穂のサイズ(粒数)制御をつなぐ遺伝子であることが示唆された
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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