計画研究
1.1日間の2℃低温馴化で、青色光がクリプトクロム経由で凍結融解後の光合成活性の維持に関与することがシロイヌナズナを用いて示された。一方、この経路は、CBF経路を介した細胞膜の凍結安定性に関しては負に働くことが示された。CBF経路はフィトクロム制御も受けるため、本結果は、野外における植物が青色光と他の光質や日長などを判断し低温馴化を進めているという可能性を示す。2.光合成阻害剤(DCMU)を用いてシロイヌナズナにおける低温誘導性遺伝子COR15aの2℃におけるプロモータ活性をルシフェラーゼによりモニタリングしたところ発現が大きく低下した。この結果は、2℃におけるCOR15a発現は光合成活性、特に電子伝達系の酸化還元状態によって制御を受けている可能性を示す。3.カルシウムセンサー蛍光タンパク質YC3.6を発現するシロイヌナズナを用いて、低温受容におけるカルシウムシグナルをモニタリングしたところ、ある一定以上の温度変化を超えた場合にのみ特有のシグナルが観察された。自然条件において植物は絶え間ない温度変化に曝されるが、この結果は、植物が全ての温度変化ではなく、特定の低温を感知している可能性が示唆する。4. シロイヌナズナを用いて、細胞膜GPIアンカー型タンパク質に関するプロテオーム解析を行い、低温馴化に特徴的なものを同定・解析した。また、低温馴化および脱馴化過程における細胞膜リン酸化プロテオーム解析から大規模なリン酸化状態の変化が起こっていることが検出された。例えば、低温下で細胞膜H+-ATPaseや糖輸送体の活性制御に関わるリン酸化応答が示され、また、これらのリン酸化応答を制御する可能性のあるProtein kinase/phosphataseの変動も低温下で非常に多く検出された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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