研究領域 | 植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで |
研究課題/領域番号 |
22120008
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研究機関 | 株式会社日立製作所(研究開発グループ) |
研究代表者 |
神原 秀記 株式会社日立製作所(研究開発グループ), その他部局等, その他 (20397011)
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研究分担者 |
梶山 智晴 株式会社日立製作所(研究開発グループ), その他部局等, その他 (50573044)
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研究期間 (年度) |
2010-06-23 – 2015-03-31
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キーワード | 単一細胞解析 / 遺伝子発現 / 遺伝子定量解析 / 植物組織 / 定量PCR / cDNAライブラリ / 組織採取 |
研究概要 |
植物組織を対象とした、1細胞レベルの複数遺伝子定量発現解析技術を開発している。植物組織の遺伝子発現解析では、以下の課題が存在する。(1)植物組織は細胞が細胞壁に囲まれており、細胞質の抽出のためには細胞壁を破壊する必要がある。(2)植物細胞は、細胞内に核酸分解酵素を多く含んだ液胞が存在し、小さな刺激でも細胞内で浸潤することがあり、細胞質内の遺伝子分解が起こりやすい。 本年度は、以下の技術開発を行った。(1)「微小切片の高速採取」の試作機が完成。ビデオマイクロスコープ観察下で、約100μmの微小組織を、高速(15秒以内)に採取できることを確認した。(2)上記システムを利用し、4日齢のシロイヌナズナの若芽を対象に、茎頂分裂細胞部、茎頂近傍の胚軸部、葉脈を回避した子葉組織の組織採取を行い、網羅的遺伝子発現解析を実施した。この手法により、組織特異的な遺伝子を複数選定できた。発現遺伝子の再現性は10RPKM以上のハウスキーピング遺伝子において、約30%の揺らぎで解析できており、高い再現性を有していることを確認した。(3)開発した網羅的遺伝子発現解析技術に関し、本領域内の共同研究者向けにワークショップを開催して、応用研究を推進した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度までに、繰り返し定量PCR解析のための洗浄技術、植物組織採取技術、および組織からのcDNAライブラリ合成技術を開発した。さらに、次世代シーケンサを用いる網羅的解析技術も完成した。また、微小切片の高速採取装置の試作も完了し、組織の網羅的遺伝子発現解析を行う活用研究も実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
微小切片の高速採取装置を活用する応用研究を進める。また、広く応用するための使い勝手の向上技術や、修正すべき箇所の改良を行う。また、次世代シーケンサ利用網羅的解析プロトコルを用い、微小切片の遺伝子発現解析を他の研究班と連携して推進する。
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