従来、レーザーを用いた質量顕微鏡測定は動物組織内での代謝物・糖類・脂質類・タンパク質類などの空間分布を計測することに用いられており、植物組織に対して適用することは難しかった。本研究課題では、植物組織に質量顕微鏡技術を適用することを目的として、高分解能高精度質量顕微鏡装置(ハードウエア及び制御ソフトウエア)の開発を実施した。その結果、植物組織切片だけでなく、これまでに適用がさらに難しかった肉厚の植物組織を直接分析することに成功した。質量顕微鏡測定から生ずる数百GBにも及び巨大なデータをプロセスし、そこから代謝物などの分布と種類に関する情報を抽出するためのソフトウエアの開発にも成功した。
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