高強度のフェムト秒レーザーを顕微鏡で生体材料に集光すると、集光点では効率的な多光子吸収により、切断現象と爆発現象が引き起こされる。本研究課題では、これらの現象を利用した、植物生理学研究に適した新しいレーザー細胞操作・計測技術を開発し、実践した。多光子吸収による選択加工技術を利用し、1細胞レベルで植物固体の機能阻害をおこなえる実験系を確立した。レーザー誘起衝撃力による植物細胞の力学操作技術を利用し、植物細胞内のオルガネラ間の接着力を定量評価する技術を確立した。さらにレーザー誘起氷化現象を利用して植物の凍結耐性を調べる方法、レーザーによる単一植物細胞への外部分子導入手法などの技術開発を推進した。
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