研究概要 |
血管と神経のワイヤリングのメカニズムを探るために、まずは両者が伴走する部位を生体(ゼブラフィッシュ)を用いて明らかにすることから開始した。 (1) 血管内皮細胞、神経細胞でそれぞれ特異的に活性化されるプロモーター、Flk1,HuCプロモーター依存性にmCherry, EGFPを発現するトランスジェニック個体を作製した。 (2) 血管内皮細胞にレーザー照射することにより低分子量GTP結合蛋白質Racが活性化される個体を作製して、血管の走行を自由に改変できるか否かを検討し、それに伴って神経の走行が変化するかを検討した。 (3) 血管あるいは神経特異的に優勢劣性変異体の発現が可能なように、Gal4/VP16システムを用いて目的の分子を効率よく発現可能な個体を作製した。 血管神経の伴走性については、lateral lineの形成に伴って、両側のparacordal vesselが形成されていく過程を可視化できた。さらに、neuralcrest cellの一部が先導して、血管形成が時間的な差を持って形成される部位も同定した。共焦点顕微鏡と、2光子顕微鏡を活用してゼブラフィッシュの脳内での伴走部位の同定にも着手した。
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