計画研究
本新学術研究では、一貫して血管-神経ワイヤリングとその相互作用機構について研究を進めてきた。大きな成果として、体幹部においては、自律神経系を構成する交感神経の成立が、背側大動脈に依存していることを見出した。この発見が起爆剤となり、自律神経系のもうひとつの構成要素である副交感神経系の成り立ちの解明に道筋をつけるという展開が得られた。自律神経系の発生機構は、体性運動神経や感覚神経に比べて理解が遅れているが、なかでも副交感神経系についてはほとんどわかっていないといってよい。本年度は、ニワトリ胚の利点をいかした副交感神経系の成り立ち解明にむけて、主に尾部の神経形成に注目した解析を進めた。特にSecondary Neurulation(SN)と呼ばれる神経形成が副交感神経系の鍵を握るため、SNの制御機構や、SN脊髄に由来するRemak神経節(副交感神経節)の形成と分化の仕組みを解析した。その際、副交感神経節を広く認識できる抗体が有用であると判断し、ニワトリのアセチルコリン合成系に関わるVAChTやCHATに対する抗体を作製した。それらを用いて副交感神経節の生体内における三次元分布を調べたところ、これまで知られていなかった分布パターンが多数認められた。並行して、交感神経節から伸びる軸索の多くが特徴ある血管と密にアソシエートしていることを見出した。副交感神経も血管とのアソシエーションがあるのか、またないとしたら、交感神経と副交感神経の分布はどのようにして制御されているのかなど、これまでとは異なる視点でアプローチする道筋を提供できたことの意義は高い。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 8件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 12件、 招待講演 17件) 図書 (4件) 備考 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Mech Dev.
巻: 138(1) ページ: 2-7
10.1016/j.mod.2015.07.011.
Development
巻: 142 ページ: 2329-2337
10.1242/dev.122408
Dev. Growth Differ.
巻: 57(3) ページ: 251-263
10.1111/dgd.12205
巻: 57(3) ページ: 232-241
10.1111/dgd.12201
Tissue Eng. Part A
巻: 21 ページ: 193-201
10.1089/ten.tea.2014.0080
PLOS ONE
巻: 10(1) ページ: e0116119
10.1371/journal.pone.0116119
Nat. Commun.
巻: 5: 4532 ページ: 4532
10.1038/ncomms5532
Proc. Natl. Acad. Sci. U S A.
巻: 111(18) ページ: 6660-6665
10.1073/pnas.1316728111
http://develop.zool.kyoto-u.ac.jp/takahashi.html
http://develop.zool.kyoto-u.ac.jp/neurovascular/