研究領域 | 血管ー神経ワイヤリングにおける相互依存性の成立機構 |
研究課題/領域番号 |
22122008
|
研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
榎本 和生 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 神経細胞生物学部門, 研究部長 (80300953)
|
キーワード | 樹状突起 / ショウジョウバエ / 感覚ニューロン / RNAi / ライブイメージング |
研究概要 |
本研究では、ショウジョウバエ感覚ニューロンと気管を解析モデルとして、血管-神経ワイヤリングに介在する分子機構の解明を目指す。昨年度までに、ショウジョウバエ気管と感覚ニューロンが、発生の様々なステージにおいて伴走構造を形成することを見いだした。本年度は、伴走構造の成り立ちを理解するために、ライブイメージング法により発生過程を詳細に解析することを目的とした。具体的には、気管と感覚ニューロンにおいて発現制御できるエンハンサー下流にmCherryとGFPを繋いだトランスジェニック系統により、気管と羽原基感覚ニューロンをそれぞれ特異的によりマークした。この二重カラー系統を使うことにより、発生初期から気管-神経ネットワークの形成時まで個体レベルでイメージングが可能であることを確認した。現在、これらの系統を使って、長時間ライブイメージングを試みている。これまでのところ市販の共焦点顕微鏡システムでは空間解像度が不足していることが分かってきており、その改善のため光路とディテクターのカスタマイズを行っている。 並行して、気管-神経相互作用において働く因子群の網羅的同定を開始した。具体的には、国立遺伝学研究所において作成されだショウジョウバエRNAiコレクションを活用して、ゲノムワイドスクリーニングを行った。本年度までに約2000系統コレクションのスクリーニングを終了し、樹状突起の維持に関わる候補遺伝子32個を単離した。その中から、細胞間相互作用に関与することが予測される5遺伝子に着目して、更なる解析を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書において提案した案件について、本年度は大旨完了できた。欲を言えば、同定した遺伝子群の詳細な機能解析を今以上に進めたかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度に同定した遺伝子群の機能解析が今後の最重要課題となる。遺伝学と生化学を組み合わせることにより、効率よく進めることが重要になると考える。
|