計画研究
霊長類領野特異的な遺伝子発現について、以下の2つの研究を行った。(1)げっ歯類の遺伝子操作による機能解析霊長類の領野特異的発現遺伝子の生理的機能を明らかにする為には、最終的には、霊長類の大脳皮質においてその遺伝子機能を明らかにする必要がある。しかし、より解析手段の多いげっ歯類での機能解析は重要であると考えた。平成24年度の研究計画により、繰り越しも含めて、連合野特異的発現遺伝子と視覚野特異的発現遺伝子のそれぞれについて、floxマウスを作成し、当該年度は、creEMX1マウスと掛け合わせることによって、視覚野特異的遺伝子の大脳皮質の部位特異的ノックアウトマウスを作成することができた。これを用いてその機能を解析中である。連合野特異的floxマウスについては、現在大脳皮質部位特異的マウスを作成中である。(2)霊長類視覚野特異的発現遺伝子の発現機構解明平成24年度までに、マーモセット視覚野に於ける光誘導系を確立し、細胞種によって発現パターンがそれぞれに異なることを見出した。従来から、マーモセット一次視覚野の眼優位性カラムの存在について論争があったが、活動依存的遺伝子発現を指標とすることにより、一次視覚野全層に亘る眼優位性カラムの存在を確認することができた。
2: おおむね順調に進展している
研究概要に示したように、げっ歯類を用いた遺伝子操作マウスは順調に作成および作成中である。しかし、未だ機能的な解析には至っていないので、この機能解析を行うことが重要であると考えている。また、マーモセット一次視覚野を用いた解析では、眼優位性カラムの存在を証明することが出来たので、この系を用いて、霊長類一次視覚野特異的な活動依存的な遺伝子発現制御機構を解明することが可能になった。
次年度(平成26年度)は、最終年度であるので、げっ歯類を用いた領野特異的発現遺伝子の機能解析を完成させたい。また、マーモセット一次視覚野に於ける活動依存的発現制御機構を代表者等確立した光誘導による遺伝子発現を用いた眼優位性カラム検出系により解明したい。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Frontiers in Neural Circuits
巻: 7 ページ: -
10.3389/fncir.2013.00043
The Journal of Neuroscience
巻: 33 ページ: 19704-19714
10.1523/JNEUROSCI.2355-13.2013
http://www.nibb.ac.jp/divspe1/