線虫温度走性を司る神経回路をモデル回路とし、行動を制御する神経コードの分子レベルでの解読を目指した。AFD感覚ニューロンは、飼育温度を受容し、温度を記憶すること、そして、その記憶はCaMKIとrafの活性によって制御されることがわかった。AFDから温度情報が伝達されるAIY介在ニューロンと、AIYの下流に存在し、頭部運動ニューロン群RMDとSMDを制御するRIA介在ニューロンの神経活動をカルシウムイメージングによって測定した結果を総合し、頭部の舵取り運動と、身体全体の蛇行運動に関する外部刺激依存的な神経回路制御の全容を説明できる神経回路モデルを提唱した。
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