われわれは、イモリの四肢再生においても傷上皮が先端部として機能することで、残存部と相互作用して再生芽を形成し残存部と先端部との間の構造を再生するモデルを提唱していたが、今回の関節再生に焦点を当てた研究によって、想定以上に残存部から再生芽(新規再生部)へ強力な働きかけがあることが判明した。残存部からの働きかけによって、(1)残存部の軟骨と再生部の再生軟骨は整合性のある形を形成し、(2)上腕部の筋肉が下腕の再生部の骨と腱を形成することで機能的な関節が形成されることを明らかにした。さらに、カエルでこの原理を適用したところ、関節を再生できないと言われていたカエルに機能的な関節を惹起することに成功した。
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