計画研究
プラナリア(ナミウズムシ)を用いて再生過程におけるトランスクリプトーム解析をおこない、からだ領域の前方化に働くことが期待される複数の遺伝子を同定することに成功した。それら候補遺伝子についてRNA干渉による機能阻害実験をおこない、その結果、新規キナーゼ遺伝子が前後軸に沿ったからだの位置情報・プロポーションを制御していることが明らかになった。今回、さらに新規キナーゼ遺伝子の解析をすすめ、前方化シグナルには「正」に、後方化シグナルには「負」に働いていることを示唆する結果を得ることができた。また、プラナリアは遺伝子導入実験ができないため、アフリカツメガエル初期胚を用いたアッセイ法を確立し、新たに上記機能におけるより直接的な結果を得ることにも成功した。さらには、トランスクリプトーム解析により分泌性の前方化因子候補遺伝子の同定および単離にも成功し、RNA干渉法による機能解析をおこなった結果、この因子が実際に前方化に関与していることを示唆する再生異常が観察できた。また、ウサギを用いてこの因子に対する抗体作成も試みた。ウェスタンブロット法により、予想される分子量にほぼ等しいシングルバンドを検出することができたが、現在までのところ、免疫組織化学法ではシグナルを検出することはできていない。アフリカツメガエル初期胚にこの因子を強制発現させてみたが、全く発生異常が観察されなかったことから、将来、プラナリア種特異的な受容体を同定するためにアフリカツメガエル初期胚を用いたアッセイ法が確立できると考えられた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Development, Growth & Differentiation
巻: 57 ページ: 209-217
doi: 10.1111/dgd.12195.
Zoology (Jena)
巻: 117 ページ: 161-162
doi: 10.1016/j.zool.2014.04.001.
http://reg.biol.sci.kyoto-u.ac.jp/