申請者らは、再生能力の特に高いプラナリア種(ナミウズムシ)の再生原理の解明をめざした。その結果、ERKタンパク質とb-cateninタンパク質がからだの前後軸に沿って相反する活性勾配を形成することにより、からだの異なる領域(頭、咽頭前部、咽頭部と尾) が再生できることがわかった。さらに、ナミウズムシの再生原理にもとづいて、もともと尾部から頭部を再生できない別種のプラナリア(コガタウズムシ)では、b-catenin活性が過剰に働くことによって頭部再生が不全であることがわかった。遺伝子操作によりb-catenin活性を阻害されたコガタウズムシ尾部断片は、完全に機能的な頭部を再生することができた。
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