ヒトなどの哺乳類での四肢再生実現を目指して、マウスと四肢再生モデル動物である両生類との間で、四肢切断に対する反応性の違いを比較した。両生類では四肢を切断されると再生芽が形成され、失われた部分を再生する。マウスでは再生芽は作られないが、残された基部側の組織では骨の切断端に軟骨カルスが作られ、また特定の条件下では切断面を傷表皮が速やかに覆うなど、両生類と同様の反応が起きていることが分かった。一方で、切断面で再生する神経の軸索を調べた結果から、両生類では神経からの因子に依存して起きる現象が、マウスでは起きてないことが示唆された。この違いが、両者の再生能力の違いを生み出す原因であると考えられる。
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