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2011 年度 実績報告書

減数分裂期の染色体動態とゲノムアダプテーション

計画研究

研究領域ゲノムアダプテーションのシステム的理解
研究課題/領域番号 22125002
研究機関大阪大学

研究代表者

篠原 彰  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00252578)

キーワード染色体 / 相同組換え / 減数分裂 / シナプトネマ複合体
研究概要

体細胞分裂期の組換えと大きく異なり,減数分裂期に起きる組換えは、染色体分配に必須機能を有しているため、交叉型組換え体を生じること,姉妹染色体間より相同染色体間で高頻度起きること,その数と分布が染色体あたりで制御を受けていると制御を受けている。このような制御は染色体構造や核構造が大切な役割を果たしている。染色体構造としては、相同染色体が対合した減数分裂期特異的染色体構造、シナプトネマ複合体,核内の染色体配置としてテロメアが中心体の近傍にクラスタリングしたブーケ構造が知られている。このような染色体構造、配置の機能、特に組換えとの関連などについて不明な点が多い。出芽酵母をモデル生物として,減数分裂期のおける染色体構造と組換え反応の制御の仕組を知るために、核膜のタンパク質の動態にについて解析を行った。
減数分裂期のテロメアを介した染色体の運動の分子機構を知るために、細胞周期の調節に関わる2つのキナーゼcyclin-dependet kinase, Dbf4-dependent kinaseがテロメア運動に関わる核膜構成因子の1つMps3をリン酸化することで、このタンパク質の核膜への局在を促進することを明らかにした。実際に、リン酸化が出来なくなるMps3の変異株は減数分裂期の染色体運動に欠損を持つ。さらに、Mps3のリン酸化がテロメア結合タンパク質やDbf4-dependent kinaseとの結合に大切であることを示した。本年度はさらにMps3の核膜への局在と運動には染色体構成要素であるコヒーシンが重要であることを明らかにできた。これらの結果から、細胞周期特異的なリン酸化制御と染色体構造により核膜の動的状態を変え、染色体の動きを制御すると言う減数分裂期特異的染色体の運動の新しいモデルを提唱した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Mps3の核膜への局在がこのタンパク質のリン酸化により制御されていることを証明できたばかりでなく、染色体構成要素であるコヒーシンが関わる新しい発見が出来たため。

今後の研究の推進方策

特になし。進展しつつある成果をいかに論文として公表するかが課題であり、そのためにはより多種法に渡る解析を共同研究を通して行うべきである。特にクロマチン免疫沈降-DNAシークエンス(ChIP-seq)については今後僅々に導入すべき手法である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Mps3 SUN domain is important for chromosome motion and juxtaposition of homologous chromosomes during meiosis2011

    • 著者名/発表者名
      Rao, H.B.D.P., Shinohara M., A.Shinohara
    • 雑誌名

      Genes-to-Cells

      巻: 16 ページ: 1081-1096

    • DOI

      10.1111/j.1365-2443.2011.01554.x

    • 査読あり
  • [学会発表] The PCSS (Psy3-Csm2-Shu1-Shu2) complex, a new Rad51 mediator in homologous recombination2011

    • 著者名/発表者名
      篠原彰
    • 学会等名
      FASEB meeting on Recombination & Genome Rearrangement
    • 発表場所
      Steamboat, CO, USA(招待講演)
    • 年月日
      20110724-20110729
  • [備考]

    • URL

      http://www.protein.osaka-u.ac.jp/genome/Shinohara-HP-index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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