平成22年度研究実績 (1)平成22年度は「受精卵を対象とした高効率ChIP法の開発」として、少量の受精卵ゲノムを効率よく免疫沈降する条件検討を行った。受精卵を用いた条件検討はコストが掛かるため、まず受精卵と類似した一倍体核を有する生殖細胞である円型精子細胞を用いて、代替可能なステップを検討した。その結果、使用するプラスチックウェアやビーズの種類、抗体の使用量、DNAの収量等について予備的な知見が得られた。これは今後受精卵を用いた実験に非常に有用である。 (2)平成23年度実施予定の実験「雄性前核の標識」に用いるDNA標識試薬とin vitro受精の条件検討を行った。その結果、標識試薬の至適濃度や反応時間等を決定することができた。さらに、その条件下で標識ゲノムを有する精子と受精した卵は正常に発生する事ができた(=本蛍光試薬によるDNA標識は細胞分裂に影響を与えない)。従って、蛍光の有無による雌雄前核の識別と分離が可能になった。 (3)平成23年度実施予定の実験に使用する機器(マイクロマニュピレーションシステム)を購入し、セットアップを行った。
|