研究領域 | ゲノムアダプテーションのシステム的理解 |
研究課題/領域番号 |
22125007
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 由紀 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (60546430)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ゲノムアダプテーション / ストレス / 染色体構造 / 遺伝 / 受精卵 |
研究実績の概要 |
本研究課題は本研究は以下の2つのパートに大別される。 A. (マウス)受精卵を対象とした高効率ChIP法の開発 B. ChIP-seq法を用いた受精卵のクロマチンダイナミクスの解析
A)前年度に達成できなかった、前核の標識条件とセルソーターによる分離技術の確立を試みた。一方で、本新学術領域班内で2012年3月に導入した次世代シークエンサーはサンプル量が従来機の1/10以下で済むことから、必要サンプルの量の見直しも行った。その結果、1000台の細胞数が現実的なところとなり、現在この細胞数でのゲノムワイド解析を進めている。しかしセルソーター分離によるサンプルロスが致命的であるために、当面は雌雄前核をまとめて解析し、候補遺伝子解析など必要に応じて分離核を用いる予定である。標識についても同様に、候補遺伝子座の解析に用いる予定に変更した。 B) 前年度に得られた、受精卵のクロマチンダイナミクスに関与する可能性が高い候補因子Xおよびそのファミリー分子Yについて、ノックダウンやドミナントネガティブ体による機能阻害、体外胚培養などで受精卵におけるその機能を解析した。その結果、XとYは非常に近縁であるにも関わらず受精卵の胚発生における機能は異なるという結果がえられた。特にYの機能阻害は胚発生を阻害した。これらの結果から、野生型卵とYの機能阻害卵においてChIP-seqでそのクロマチン状態を比較することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前核標識と前核分離はいったん見送ることとなったが、少数細胞(受精卵)からのChIP-seqの技術開発およびその標的選択は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
ライブラリー作製には学会発表レベルの新しい技術を積極的に取り入れる。すでに試薬等は選定し、準備を終えている。H25年度中にsequencingを行い、その結果に基づき手法にマイナー改変を加えていく。
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