本研究課題はマウス受精卵のクロマチンダイナミクスを、主にChIP-seqを用いて解析することを目的とした。本目的達成のためには少数細胞(~1000個程度)からのChIP-seq技術の確立が必要不可欠であり、そのためのマウス受精卵採取、各種条件検討や標的とすべきクロマチン修飾の探索、抗体の選定などを行った。その結果、線形増幅のステップの工夫により、1ng程度のDNAでも上位25%程度の結果は信頼できるものが得られる考えられた。 また受精直後の一細胞期転写活性化における重要なヒストン修飾としてH3K4モノメチル化/H3K27アセチル化を同定し、論文発表した。期間内に受精卵ChIP-seqを終了させることはできなかったが、条件および標的の決定は完了したことから、これらの知見を元に実際受精卵でH3K4モノメチル化/H3K27アセチル化のChIP-seqを行うことが喫緊の課題である。
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