研究領域 | ゲノムアダプテーションのシステム的理解 |
研究課題/領域番号 |
22125008
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 武彦 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (90501106)
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研究分担者 |
白髭 克彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90273854)
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キーワード | 染色体動態 / ゲノム情報 / 新型シークエンサー |
研究概要 |
本年度は、昨年度に染色体動態解析の一つとして立ち上げたChIP-seqの系を用いて、酵母、マウス、ヒトなど様々な生物種について、Mcm4,BrdUなど様々なタンパク質局在プロファイルの解析を実施した。これらの結果は既知遺伝子情報との相関、さらにはRNA-seqと合わせることでさらなる知見を目指して、解析が進められている。また、他研究計画班で計画している研究において必要となる、新型シークエンサーから得られたデータから精度よくゲノム配列を再構築するアセンブルアルゴリズムの構築、さらにはSNP検出プロトコルの開発を実施した。アセンブルアルゴリズムには、SOAPdenovoなどで用いられているde bruijin graphアルゴリズムを用いることで、現実的な計算機の使用、計算時間で解析可能な手法を開発した。SNP検出では、イネゲノムを用いた解析を通し、偽陽性のより少ない検出手法の開発を実施した。今年度は幅広い研究に使えるための各種基礎手法の開発に注力し、次年度以降これらの様々な手法を用いて、他研究班との密な連携を通して、多種の実データの解析を積極的に進めて行く予定である。 一方、解析によって得られたタンパク質局在プロファイル同士の比較、および遺伝子やRNA-seq情報など、他のゲノム特徴量と並列し比較解析するための情報解析プラットフォームも昨年度に引き続き開発、改良を実施し、一部共同研究者への結果提供を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ChIP-seq解析、RNA-seq解析、denovo assemble, SNPs解析と様々なデータ解析のために必要となる手法を着実に開発できており、次年度以降これらを利用して様々な実データの解析ができることが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
また、新型シークエンサーの高集積化が当初本研究計画を立てたときよりも遥かに速く進んでおり、一度に入手可能なデータ量は膨大になったが、そのデータを解析するのに要する時間も予定より遥かにかかることとなってしまっている。これでは様々なアルゴリズムの開発に支障を来すため、小スケールでの解析が可能なようにパーソナル型のシークエンサーを当初の予定にはなかったが導入した。これにより、次年度以降のアルゴリズムの試験開発、改良が飛躍的に進む物と思われる。
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