研究実績の概要 |
G蛋白共役型受容体GPR40は中・長鎖の遊離脂肪酸をリガンドとし、マウス・ラット膵β細胞にほぼ特異的に高発現し、グルコース応答性インスリン分泌の増強に関与することが報告され、その治療的意義が注目されている。我々はGPR40がヒトにて膵島およびインスリノーマで高発現し、インスリン分泌の調節に関与する可能性を示してきた(Tomita, T BBRC, 2005; Diabetologia, 2006)。しかし、GPR40の発現調節やその意義は不明な点が多い。そこで、我々が新規に確立した遺伝性肥満レプチン欠損mkyo/mkyoラット(Aizawa-Abe, M Physiol Genomics, 2013)を肥満・耐糖能異常モデルとして解析し、膵島でのGPR40遺伝子発現をTaqMan PCRにて検討した。 mkyo/mkyoは非肥満対照(+/+)と比べ週齢依存性に著明な体重増加をきたした。さらに、8週齢から糖負荷試験で負荷後高血糖とインスリン初期分泌低下を呈した。耐糖能異常とインスリン初期分泌低下が顕著な22週齢のmkyo/mkyoで、膵島でのGPR40 mRNAレベルを検討したところ、+/+の約1/2に著明に低下していた。また、GPR40のプロモータ領域に結合ドメインが報告され、GPR40遺伝子発現調節への関与が示唆されているPdx1のmRNAレベルがmkyo/mkyoの膵島で+/+の約1/2に低下していた。
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