本申請研究では、動物の皮膚模様ができる原理をゼブラフィッシュを使って解明することを目的とした。研究開始時点では、ゼブラフィッシュの模様がチューリングの反応拡散波としての性質を持つことは解っていたが、その詳しい原理については未解明だった。理論から予測された細胞間の相互作用と作用分子を、細胞生物学、分子生物学的な手法を使って同定して行き、最終的には、チューリング波を作るために必要な相互作用ネットワークの同定に成功した。インビトロ系での模様形成や、ギャップジャンクションが関与する原理など、興味深い研究の種はまだ多くあるが、模様形成原理という点に関しては、ほぼ目的を完遂することができたと考える。
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