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2014 年度 実績報告書

細胞のキラリティによる左右非対称な組織形態形成のロジック

計画研究

研究領域ミクロからマクロへ階層を超える秩序形成のロジック
研究課題/領域番号 22127004
研究機関大阪大学

研究代表者

松野 健治  大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60318227)

研究分担者 石川 裕之  千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00398819)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワード細胞キラリティ / 左右非対称性 / ミオシンI / バーテックスモデル / 上皮細胞 / ショウジョウバエ / 消化管
研究実績の概要

動物のからだには、遺伝的に決められた左右非対称性がしばしば認められる。ショウジョウバエ消化管の左右非対称性は、個々の細胞がキラルな形状をとる(以下、細胞キラリティと呼ぶ)ことで形成される。これは、これまでに知られていない左右非対称性形成の機構である。本研究では、細胞キラリティによって左右非対称な組織構造が形成される機構を明らかにすることを目的とする。平成26年度の研究では、次のような成果を得ることができた。
ショウジョウバエ消化管は、後方から見て反時計回りに90度捻転することで左右非対称化する。消化管上皮細胞の頂端面(管腔側)の形態は、消化管の軸方向に長い。消化管の捻転前では、この長軸が消化管の軸(胚の前後方向)から一定方向に傾いている(細胞キラリティを反映)。この傾きは捻転の後では解消される。平成25年度までの研究で、消化管頂端面をバーテックスモデルでシミュレーションした結果、細胞キラリティの解消によって消化管の捻転が説明できることがわかっていた。しかし、消化管の捻転の過程で、消化管上皮組織にどのような変化が起こっているのは不明であった。この問題を解決するために、野生型胚の消化管上皮の核をGFPで可視化し、核の相対的位置の変化をタイムラプス撮影で解析した。その結果、任意の位置の核を基準として、消化管を外から見たとき、一細胞前方の細胞の核は右方向、一細胞後方の細胞の核は左方向にずれることがわかった。消化管の捻転が鏡像化(反転)するMyosin31DF突然変異では、核のずれ方も鏡像化していた。このような核のキラルなずれは、消化管のバーテックスモデルにおいても再現できた。消化管の捻転過程では、消化管上皮細胞の接着面の再編成はほとんど起こっていないことがわかった。この結果から、消化管の一定方向へ捻転は、個々の細胞の変形による相対位置のキラルなずれによって起こっていると考えられた。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Class I myosins have overlapping and specialized functions in left-right asymmetric development in Drosophila2015

    • 著者名/発表者名
      Okumura T, Sasamura T, Inatomi M, Hozumi S, Nakamura M, Hatori R, Taniguchi K, Nakazawa N, Suzuki E, Maeda R, Yamakawa T, Matsuno K
    • 雑誌名

      Genetics

      巻: 199 ページ: 1183-1199

    • DOI

      10.1534/genetics.115.174698. Epub 2015 Feb 6.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ねじれる‐細胞のキラリティの普遍性と機能2015

    • 著者名/発表者名
      羽鳥僚, 松野健治
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 33 ページ: 423-428

  • [雑誌論文] Left–right asymmetry is formed in individual cells by intrinsic cell chirality2014

    • 著者名/発表者名
      (4)Hatori, R., Ando, T., Sasamura, T., Nakazawa, N., Nakamura, M., Taniguchi, K., Hozumi, S., Kikuta, J., Ishii, M., Matsuno, K.
    • 雑誌名

      Mech. Dev.

      巻: 133 ページ: 146-162

    • DOI

      10.1016/j.mod.2014.04.002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細胞のキラリティが誘発する組織のねじれ2014

    • 著者名/発表者名
      (2)羽鳥僚, 松野健治
    • 雑誌名

      日本数理生物学会ニュースレター

      巻: 73 ページ: 20-21

  • [学会発表] Cell chirality induces mechnical force driving the left-rihgt directional rotation of the gut in Drosophila2014

    • 著者名/発表者名
      Kenji Matsuno
    • 学会等名
      The 62nd NIBB conference Force in development
    • 発表場所
      岡崎
    • 年月日
      2014-11-18
    • 招待講演
  • [学会発表] 細胞キラリティ:その上流経路と上皮組織の形態形成における機能2014

    • 著者名/発表者名
      羽鳥僚、坪井有寿、足立麻衣、石橋朋樹、松野健治
    • 学会等名
      第66回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      2014-06-13
    • 招待講演
  • [学会発表] 細胞のキラリティによる動物の形態形成2014

    • 著者名/発表者名
      Ryo Hatori, Alice Tsuboi, Mai Adachi, Tomoki Ishibashi, Kenji Matsuno
    • 学会等名
      第47回日本発生生物学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2014-05-29
  • [学会発表] ショウジョウバエ消化管における左右非対称な形態ゆ引き起こす機械的な力の定量化2014

    • 著者名/発表者名
      Mai Adachi, Naotaka Nakazawa, Syuki Sigita, Takeo Matsumoto, Kenji Matsuno
    • 学会等名
      第47回日本発生生物学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2014-05-29
  • [備考] 大阪大学大学院 理学研究科 生物科学専攻 細胞生物学・松野研究室

    • URL

      http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/matsuno/index.html

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公開日: 2016-06-01  

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