計画研究
(1)食虫植物の捕虫葉進化:フクロユキノシタの捕虫葉と通常葉を温度によって制御できることがわかった。フクロユキノシタゲノム(推定2 Gb)の解読のため、昨年度作製したpaired-endライブラリーに加えて、北京ゲノム研究所、本領域総括班支援との共同研究で10 kb、20 kbのmate-pairのライブラリーを作製し、合計100xにあたるイルミナリードを産出し、14 GbのPacBioデータによって方法開発班との共同研究によりギャップフィリングを行った。また、ストランド特異的RNA-seqリードで遺伝子予測を行い、45,469遺伝子モデルを得た。比較トランスクリプトームからフクロユキノシタの捕虫葉特異的に発現する転写因子130遺伝子を選択し、ノックダウンスクリーニングのためのライブラリー作製を開始した。(2)クルミホソガの寄主転換:クルミレースとネジキレースのゲノム解読を新学術領域「ゲノム支援」との共同研究を行った。ネジキレースのcontig 長の N50 が約 16 kbのアセンブルが完了した。QTL解析により、幼虫の成育適性遺伝子座の近傍のAFLP 断片を特定し、同断片を含むscaffold(約 6.5 kb) が1つ見つけた。Fosmid ライブラリーを作製し、この領域を含む3クローンの特定に成功し解析を進めている。(3)陸上植物分枝系進化:世代交代進化には、複合的要因が必要である。Class2 KNOXホメオボックス遺伝子が複相植物体において単相幹細胞形成を抑制し、複相世代を維持していることを明らかにした。また、単相世代において糸状の原糸体から茎葉構造を持つ茎葉体への転換は、形態形質が大きく変化することから、複合的な因子の進化が必要であったと考えられるが、茎葉体幹細胞を形成する転写因子の同定に成功した。
2: おおむね順調に進展している
上記、平成24年度研究実績の概要に記載したように当初計画通りに進行した。
平成25年度、平成26年度交付申請書にあるように、当初計画どおりに計画を遂行する。
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Science
巻: 339 ページ: 1067-1070
10.1126/science.1230082
Development
巻: 139 ページ: 3120-3129
10.1242/dev.076091
http://www.nibb.ac.jp/evodovo