計画研究
1.食虫植物の捕虫葉進化(a)ムラサキヘイシソウの袋型の捕虫葉は実験的に観察された細胞分裂様式をもとにした形態形成シミュレーションを用いて、この細胞分裂方向の違いによって袋型の形態形成を説明可能であることを明らかにした。(b)独立系統の食虫植物において消化酵素の分子収斂について、収斂アミノ酸座位のタンパク質立体構造上での局在を解析した。その結果、消化酵素の進化においては、タンパク質分子の表面側にあるアミノ酸が分子収斂を蓄積しやすい傾向を発見した。(C)2倍体コモウセンゴケのゲノム解読をPacBioシーケンサーのみを用いて行った。捕虫葉発生過程の5段階でRNAseqを行い、捕虫に関わる触毛形成に関わる因子を探索した。2.クルミホソガの食草転換クルミホソガのゲノム解析で、ロングリードのデータを得るため PacBio を用いたシークエンシングを行った。その結果、各ホストレースに相当するコンティグが得られ、QTL解析によって特定された幼虫の生育適性遺伝子座の近傍に位置するであろうAFLPマーカーの配列を含むコンティグも 60~80 kb ほどの長さで得られた。これらに加え、Fosmid library のスクリーニングとシークエンシングも行い、目的領域周辺のゲノム配列を取得した。さらに、これまで順遺伝学的な手法では解析できていなかったメス成虫の産卵選好性遺伝子座のゲノム内位置に関して解析を行った。これらの実験から、メス親の産卵選好性と幼虫の生育適性はゲノム中の異なる領域で支配されていることがわかり、かつ産卵選好性の方がより多くの遺伝子座で支配されていることが示唆された。3.オジギソウの運動機構の進化ゲノム解読を予定していた2倍体オジギソウの栽培を試みたが、開花しても種子ができないことがわかり、4倍体オジギソウのゲノム解読を行い、運動機構の関わる遺伝子候補の推定を行った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 備考 (1件)
Nat. Commun.
巻: 6 ページ: 6450
10.1038/ncomms7450