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2012 年度 実績報告書

次世代シーケンサーを用いたパーソナルゲノム解析技術の開発研究

計画研究

研究領域パーソナルゲノム情報に基づく脳疾患メカニズムの解明
研究課題/領域番号 22129003
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

豊田 敦  国立遺伝学研究所, 生命情報研究センター, 特任准教授 (10267495)

研究分担者 近藤 伸二  大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター、DBCLS), 新領域融合研究センター, 融合プロジェクト特任研究員 (30415161)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワード個人ゲノム / 脳疾患
研究実績の概要

第二世代シーケンサーの登場により個人ゲノム医療を目指したパーソナルゲノム解析が可能となってきている。しかしながら、頻度は低いがリスクの高い変異を見出すためには、ヒトゲノム上に存在する多型を高感度,高精度に取得することが求められ、配列の精度や配列解析プロトコールの整備が重要な課題である。
本研究では、第二世代シーケンサーを用いたゲノム解析技術を開発するとともに、その技術を用いて脳疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、統合失調症など)患者の全ゲノム配列を解読することにより疾患に関与する原因遺伝子の同定や発症機構の解明を目的としている。また、その過程で得られた構造多型を利用して日本人の多型頻度情報をデータベース化することも目指している。
これまでに、HiSeq2000 (Illumina)を用いた配列決定システムを構築するとともにペアエンドシーケンス用のインサートサイズが均一でバイアスがかかりにくい鋳型調製法を開発した。また、遺伝子コピー数多型(CNVs)やゲノム構造多型などを検出するためのメイトペアライブラリ作製のプロトコールを確立したが、ショートリードのマップ結果からだけではサイズが大きな挿入やCNVsを同定することが非常に困難な場合が多く、第三世代のシーケンサー(PacBio RS)を用いた解析手法についても検討を開始している。情報解析については、ベースコールを含むデータ処理(ヒト標準配列との比較による多型の検出)を迅速に実行するために解析サーバーの増強および解析パイプラインを構築した。現在、再同意が得られた脳疾患由来の検体を中心に全ゲノム配列決定を進めており、網羅的な多型情報の収集を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

連携研究者により提供された検体については、すべて期間内に全ゲノム配列決定を実施したが、再同意や倫理審査などに時間がかかり、目標としていた検体数を確保することができなかった。今後、平成25年4月1日から施行される「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」により研究がさらに加速することを期待している。また、今年度末に機器や試薬のバージョンアップが行われており、これらに対応したサンプル調製を含むシーケンスシステムの構築が必要である。

今後の研究の推進方策

今後、さらに多くの検体の全ゲノム配列決定を進めることにより、日本人ゲノムの多型データベースの構築および高精度な日本人ゲノムの標準配列を作成するとともに脳疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、統合失調症など)の原因遺伝子の同定や発症機構の解明を目指す。また、ショートリード(Illumina)を用いた構造多型解析では、サイズが大きな挿入や遺伝子コピー数多型(CNVs)の検出が非常に困難な場合があるため、第三世代のシーケンサー(PacBio RS)の使用も視野に入れて解析手法の検討を進める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Mutations in cell elongation genes mreB, mrdA and mrdB suppress the shape defect of RodZ-deficient cells2013

    • 著者名/発表者名
      Shiomi D, Toyoda A, Aizu T, Ejima F, Fujiyama A, Shini T, Kohara Y, Niki H.
    • 雑誌名

      Mol Microbiol.

      巻: 87 ページ: 1029-1044

    • DOI

      10.1111/mmi.12148

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Genome analysis of the domestic dog (Korean Jindo) by massively parallel sequencing2012

    • 著者名/発表者名
      Kim RN, Kim DS, Choi SH, Yoon BH, Kang A, Nam SH, Kim DW, Kim JJ, Ha JH, Toyoda A, Fujiyama A, Kim A, Kim MY, Park KH, Lee KS, Park HS.
    • 雑誌名

      DNA Res.

      巻: 19 ページ: 275-287

    • DOI

      10.1093/dnares/dss011

    • 査読あり
  • [学会発表] 第二・第三世代の配列決定技術の現状2013

    • 著者名/発表者名
      豊田敦
    • 学会等名
      第86回日本細菌学会ワークショップ
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2013-03-19 – 2013-03-19
    • 招待講演
  • [図書] 細胞工学別冊 次世代シークエンサー 目的別アドバンストメソッド2012

    • 著者名/発表者名
      豊田敦
    • 総ページ数
      8-16
    • 出版者
      秀潤社

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公開日: 2018-02-02  

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