計画研究
疾患の解明に向けて、これまで実施されてきた連鎖解析の手法では大規模な家系を必要とするため疾患関連遺伝子の同定に至らない場合が数多く存在していた。次世代型シーケンサーの登場により家系を集積しなくても個人の全ゲノム情報を活用した多様性(多型)解析が可能となり、稀少疾患などにおいて多くの成果があがっている。しかしながら、ヒトゲノム上に存在する多型を高感度かつ高精度に抽出するためには、配列の精度や解析プロトコール、プログラムなどの整備が重要な課題である。特に、未解明な脳疾患においては、繰り返し配列の異常伸長や構造変異(遺伝子コピー数多型など)が原因の1つではないかと考えられており、ショートリード(HiSeqデータ)だけでは検出が非常に困難な状況である。そこで本研究では、HiSeq2500やPacBio RSIIシーケンサーを用いたゲノム解析技術の開発および全ゲノム配列決定によりヒトの脳疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、統合失調症など)に関与する多型を明らかにし、その発症機構の解明を目指した。今年度も種々のキットの評価を実施するとともに、ロングリード(PacBioおよびMoleculo技術)用の鋳型調製法の改良やロングリードを用いた繰り返し配列領域の解析を実施した。さらに、BAC/fosmidライブラリを用いたターゲット領域のスクリーニング法についても検討を重ねた。また、連携研究者から提供された脳疾患由来の検体については全ゲノム配列決定が完了しており、得られたデータは日本人ゲノムの多型データベース(頻度情報)を作成するために、本領域研究内の柱の一つであるゲノム情報解析研究グループに提供した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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