研究領域 | パーソナルゲノム情報に基づく脳疾患メカニズムの解明 |
研究課題/領域番号 |
22129006
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
戸田 達史 神戸大学, 医学研究科, 教授 (30262025)
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研究分担者 |
小林 千浩 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (90324780)
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キーワード | パーソナルゲノム / パーキンソン病 / 認知機能 / 多型 / 次世代シークエンサー |
研究概要 |
孤発性パーキンソン病遺伝子を同定するため、(1)第2期ゲノムワイド関連解析をおこなった。またパーキンソン病の、エクソンに存在するRareながら強い遺伝子リスクを発見するため、(2)候補遺伝子のエクソンのサンガーシークエンスによる関連解析をおこなった。さらに、強いRare Variantリスクは、家系に濃縮されていると思われるので、(3)多発家系について、次世代シークエンサーによるエクソームシークエンス(全エクソン塩基配列の解読)を行った。 (1)では、ゲノムワイド関連解析の上位9000個のSNPにまで、再現研究の対象を拡大し、検討した。中間解析では、ゲノムワイド有意水準をこえる、P=1x10-8の関連を示す新規遺伝子を見出している。 (2)では、脂質代謝カスケードの遺伝子、および、パーキンソニズムを部分症として示す疾患の遺伝子、の原因変異についてサンガーシークエンスで検討したが、有意な関連を示す結果を得なかった。 (3)では、試験的に、同胞例2検体について、次世代シークエンサーによる全エクソン解読を行った。参照配列へのマッピングと多型・変異の検出などのパーソナルゲノム情報解析を行い、検出した多型・変異から既知の多型・変異を引き算したところ、同胞に共通する新規の多型・変異を、321個検出した。多発家系の次世代シークエンサー解析により候補遺伝子が絞り込まれたが、1つの小家系のみからでは、まだ候補が多すぎるので、今後、より多くの家系・検体を重ねていく必要がある。また、絞られた候補を孤発例で検証する(サンガー・次世代シークエンサー)ことにより孤発例への広がりをしらべ、さらに、自験のゲノムワイド関連解析データをつかうことにより、家族例・孤発例を統合したゲノム解析をおこなって、パーキンソン病遺伝子同定を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定どおりの成果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後1)PD血族婚患者および多発家系の患者にエクソームシークエンスを行い変異やRare variantを発見、2)発見される遺伝子について孤発性発症の検体をリシークエンス、また3)孤発性PDを数百例エクソームシークエンス解析して孤発性リスクを同定(エクソームGWAS)することを目指す。
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