計画研究
地理的に閉鎖された地域で50名からなる統合失調症多発大家系を取集した。14名が家系内で統合失調症を発症している。解体型、緊張型、妄想型それぞれが散見されており、比較的遺伝的に均質な症例においても表現型の違いがみられる点が興味深く、パーソナルゲノムによって変異の組み合わせなど検討できれば、表現型の違いの遺伝的背景について考察が見込まれると考えた。家系から発症者と非発症者11例よりパーソナルゲノムの再同意を取り付け、リンパ球から抽出したDNAを用いて次世代シークエンサーによる全ゲノムresequenceを実施した。6名までのresequenceが完了し、bioinfomaticsによる絞り込みを行った。Readはどの検体も18億bpでありmapping rateは94%を超えていた。Variantは3000万以上が同定され、そのうちrare varinatは7万ほどで遺伝子数は300以上に渡った。非発症者でheterozygoteで発症者でhomozygoteなvarinatは48719SNVs同定され、そのうちcoding exon上にあったのは383SNVsだった。さらに発症者を1名追加して絞り込んだところcoding exon上のSNVsは80までになった。これまで候補遺伝子として有望と考えられた遺伝子に劣性遺伝モデルに一致するミスセンス変異を同定した。イルミナ社のchipを用いて連鎖解析も実施しており、連鎖で高いLOD scoreの見られた染色体部位を位置情報として絞り込みに活用し、今回のメンデル型劣性遺伝モデルによる絞り込みとの比較検討を行い、より正確な遺伝子の同定をめざす予定である。
2: おおむね順調に進展している
国内で初めて統合失調症のパーソナルゲノムを実施し、目標の半数を達成した。
連鎖解析を行い、領域の絞り込みを行って、責任遺伝子の同定をめざす。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (10件)
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