癌幹細胞の機能を詳細に解析するためには、生着効率の高い異種移植システムが不可欠である。従来型の免疫不全マウスでは十分なヒト細胞の生着が得られないため、我々は、SIRPA遺伝子多型に基づくマクロファージ寛容を導入した次世代免疫不全マウスB6.Rag2nullIL2RγnullSIRPANOD/NOD(BRGS)を樹立した。この系を用いることで、(1)成熟B細胞腫瘍である慢性リンパ性白血病において造血幹細胞レベルに異常が見出されること、(2)骨髄性白血病幹細胞の生存・自己複製強化にTIM-3/galectin-9のautocrine loopが重要な働きを担っていることを明らかにすることが出来た。
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