計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
平成22年度は主に次世代プロテオミクス技術を用いたGO-MFの発現解析とGO-MFの条件的遺伝子改変マウスの作製を行った。われわれは最近次世代プロテオミクスを利用した情報基盤定量法を開発し(特許出願済)、非常に少ない細胞においてタンパク質を網羅的に同定できるシステムを確立した。このシステムを癌幹細胞分画に応用し、GO期維持因子(GO-MF)の候補分子である種々のサイクリン、c-Myc等の癌遺伝子産物、CDKインヒビター、Skp2やFbw7等のユビキチンリガーゼのタンパク質発現量を絶対定量した。同時に転写レベルにおいてもリアルタイムRT-PCR法でその量を確認した。その結果、CDKインヒビターp57とユビキチンリガーゼFbw7が癌幹細胞分画に高発現していることを発見した。既にこれらの因子は正常幹細胞において必須の役割を果たしていることをわれわれは突きとめているが、癌幹細胞における役割は不明である。そこでこれらGO期維持因子(GO-MF)の有力候補について、その遺伝子構造を調査し、機能的に必須であって代替する産物が生じないような設計の下、コンディショナルノックアウトマウスの作製を行った。現在これらのコンディショナルノックアウトマウスを用いて骨髄細胞にレトロウイルスベクターを用いて癌遺伝子を導入し、白血病を生じさせる発癌モデルを構築し、白血病を起こした後にこれらの遺伝子を欠損するシステムを用いて、これらGO期維持因子(GO-MF)が癌幹細胞に必須であるかどうかを判定する。
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http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/saibou/index.html