治療抵抗性の癌幹細胞は、正常の組織幹細胞と同じく非増殖画分(G0期)にあると考えられている。多くの抗癌剤や電離放射線による癌治療は、細胞周期が高度に進行している細胞を標的としており、G0 期にある癌幹細胞に対しては無効である。われわれは、生化学的方法または遺伝学的方法によって、G0期維持因子(G0 maintenance factor: G0-MF)の条件を満たす二つの分子Fbxw7とp57を同定した。さらにわれわれは、白血病幹細胞(白血病における癌幹細胞)においてFbxw7とp57がG0-MFとして機能するかどうかを実証した。
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