申請者は、人工癌幹細胞(induced cancer stem cells: iCSC)技術を基盤にし、癌幹細胞の体内での挙動の解析、癌幹細胞と非癌幹細胞との相互作用の解析を行い、それらを制御・構成する分子の同定と阻害化合物の探索を行い、最終的に癌幹細胞の治療抵抗性を克服する戦略をデザインすることを目的として研究を行った。その結果、①骨肉腫において腫瘍形成能を決定づける因子としてImp3を同定し、②治療によって癌幹細胞が抵抗性を発揮する際、IGFシグナルが重要であること、更に③癌幹細胞におけるCD44vの発現は、活性酸素の蓄積を抑制し、腫瘍の増大と治療抵抗性を促進することを明らかにした。
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