計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本年度の実績を下記に箇条書きする。(1)「ヒストンのGLAMP解析」及び「ヒストンH2A-I112A変異株における染色体分配異常の解析」;ヌクレオソームはふたつのヒストンH2A-H2B二量体とひとつのヒストシ(H3-H4)_2四量体からなるヒストン八量体にDNAが巻き付いた構造をとる。ヌクレオソーム構造は様々なDNA介在反応中に解体されたり、再生したりする。その機構についてヒストン-ヒストン分子間、ヒストン-DNA間の相互作用の変化の総体と捉え、このような相互作用領域に存在するヒストンのアミノ酸を個々にアラニンに置換した、酵母の点突然変異株ライブラリー119株を樹立し、解析した。さらに、このライブラリーの中からヒストンH2A-I112A変異株において、染色体分配異常の表現型を見いだし、解析した結果、chromosome bi-orientationに欠陥が生じることが示唆された。次年度以降、この現象の分子機構を詳細に解析し、コアヒストンから迫る新規染色体分配機構の解明に繋げたい。(2)ヒストンH3-K56のアセチル化による相同組換えの制御;ヒストンH3-K56A変異株において、姉妹染色分体間の組換え(SCR)の効率が著しく低下することを見いだした。この反応にはH3-K56のアセチル化に必要とされるヒストンシャペロンCIA/Asf1とヒストンアセチル化酵素Rtt109が要求された。さらに、H3-K56のアセチル化の下流で機能するRtt101-Mms1-Mms22ユビキチンリガーゼ複合体がこのSCRに必要だった。以上より、本研究で初めてH3-K56のアセチル化で制御される相同組換えの存在を明らかにし、それを報告した(Genes Cells 15,945-958,2010)。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (10件)
Biochem.Biophys.Res.Commun.
巻: 406 ページ: 649-655
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