ヒト細胞の中でDNAはクロマチンと呼ばれるヒストンなどの蛋白と複合体を作っており、DNAの損傷が修復される際には、クロマチンリモデリング (CR)という過程が必要であることが分って来た。この研究では、CRを行なうCR因子を調べ、最近癌細胞で最も頻繁に変異を起こしていることが分ったARID1Aを含む8種類の因子がDNAの二重鎖切断の修復に重要であり、X線や抗癌剤のシスプラチンに対する抵抗性に必要である事が分った。癌の治療法の選択に重要な情報である。また転写の近傍に二重鎖切断が起きた時に転写伸長因子がATMにリン酸化され、転写抑制因子PRC1を呼び寄せて転写を抑え修復を亢進する事が分った。
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