計画研究
本研究では、性差の発現・維持の分子基盤を明らかにすることを大きな目的としている。また、本領域の特徴として、早い段階から次世代シーケンサーを積極的に活用してきたことが挙げられる。そこで、本研究においては、領域内の各グループが産出するこれらのハイスループットデータの解析を積極的に進め、それを応用した研究の推進および普及に努めて来た。以下に平成26年度における具体的な研究実績を挙げる:①性差構築を支配するシスエレメントと遺伝子の同定:ChIP-seqのデータからピークを同定し、そのピーク領域に相当するゲノムアライメントを高速に取得するためのプログラムを行ってきた。今年度は、このプログラムをウェブサーバーに実装し、一般に公開した(Sato and Suyama, 2014)。このプログラムを用い、研究計画5(山田)のグループと外性器形成に重要な役割を果たすと考えられる進化的に保存したシスエレメントの同定を進めている。②子宮内膜間質細胞のヒストン修飾の解析:脱落膜化過程における子宮内膜間質細胞のゲノムワイドな遺伝子発現変化とそれに伴うヒストン修飾変化を調べるため、脱落膜化を誘導した培養細胞におけるRNA-seq解析およびH3K27acやH3K4me3のChIP-seq解析を行った(Tamura et al., 2014)。その結果、脱落膜化においてこれらのヒストン修飾は多くの領域において増加する傾向を示した。これらのデータをもとにしたパスウェイ解析から、脱落膜化において発現亢進する遺伝子はインスリンシグナリングに関与するものが多いことが明らかになった。これは脱落膜化において必要となるグルコースの取り込みが活性化されることを示していると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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