研究領域 | 性差構築の分子基盤 |
研究課題/領域番号 |
22132008
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武山 健一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (30323570)
|
研究分担者 |
今井 祐記 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任講師 (10423873)
藤木 亮次 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (40534516)
|
キーワード | クロマチン高次構造 / 性ホルモン / 性ホルモン受容体 / ヒストンアセチル化修飾 / DNAメチル化修飾 |
研究概要 |
哺乳動物の性差は、胎児期の性分化を経て、構築さていく。「性差の構築」は、遺伝的制御に内分泌制御が重層することで確立されることが明らかとなってきた。しかしながら、各々の分子機構は未だ不明な点が多く、その相互作用も判然とされていない。本研究では内分泌制御の根幹となる性ホルモンの作用機序に着目し、「性差構築」における分子機構を解明する。本研究では、標的遺伝子の発現制御機構の性差を理解する本質的な分子機構の解明を目的として、性ホルモン依存的な新規エピゲノム制御因子の同定と機能解析より、性ホルモン依存的なクロマチン構造変換機構を解明している。 昨年度実績として、男性ホルモン受容体の新規エピゲノム制御因子Znf288を取得・機能を解明した。Znf288は精巣腫瘍にて高発現しており、AR標的遺伝子上でヒストン脱アセチル化とDNAメチル化を亢進させる酵素群と相互作用し、AR転写活性を阻害することが判明した。一方、全ての性ホルモン受容体(AR,ERα/β)遺伝子を欠くマウスの表現型解析をはじめ、世界に先駆けY染色体遺伝子を欠くマウスの作出に成功した。これらマウスを用いることにより、性ホルモン依存的および非依存的な性差のエピゲノムコード解析が可能となり、その土台を築いた。 また、骨を中心とした性差解析を行い、ARに転写制御される標的遺伝子のエピゲノム変化を解析している。
|